夢夜傘女 1


………夜。
俺の枕の前には傘をさした少女がちょこんと正座している。
傘で顔を隠すように被せているため、顔は見えないが、笑っているように見えた。
それが俺がみるいつもの光景である。


muya kasame


………朝。
「ふあ……もうあの子はいないか。」
起きると彼女はもう居なかった。
これもいつもの光景だ。
「お!この匂い。」
朝飯の匂いがしたので俺は立ち上がり食卓へ行った。

「あら、裕哉さん。おはようございます。いつも起きるのが早いですね。」
にこりと微笑む女性。彼女は、志穂さん。
「そうですか?いつもあなたの料理の美味そうな匂いがするから起きるんですよ。」
「まぁ。姉さん……いや、あなたのお母さんと同じで御世辞が上手いですね。嬉しいです。」
母さんの妹である志穂さんは、俺の家で家政婦をしてくれてる。
俺の両親が5年前に亡くなっているからだ。
家族を失った俺に優しくしてくれたのが志穂さんだった。
毎日来てくれるのは助かるけど………迷惑じゃないか心配になる。


「御馳走様でした。美味しかったです。」
「ありがとうございます。裕哉さん、すみませんが今日は仕事があるので帰ってくるのが明日になりそうです。ご飯は自分でやって貰えますか?」
「はい。分かりました。」
俺は了解した。
志穂さんが家を出た後、俺は家事をやっていく。

さて、今日は日曜か……
俺は自室に戻り、もう少し寝ることに決めたのだった。


夢を見た。
もう亡くなった幼馴染と話す夢。
それは現実ではもう見れぬ夢である。
思い出し寂しげに懐かしむのだった。




=続く=
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